サキサキとセロリ噛みいてあどけなき汝(なれ)を愛する理由はいらず
佐佐木幸綱
今日の小6の国語にでてた短歌。
目の前にいる恋人がセロリを噛んでいる。
「サキサキ」という、爽やかで軽やかな音を響かせながら。
サとかセみたいなサ行の響きの清潔感。
食べるじゃなくて噛んでるってところに作者との近い距離感を感じさせるなぁ…
朝のゆったりとした時間、カーテン越しに光が差し込んだ部屋で恋人と食事をするシーンが見える・・・
個人的感想だけど(笑)
こんな日常の一瞬を短い言葉を使って表現するのは非常に難しい。
やっぱり詩人て凄い。
I love you
夏目漱石は「月が綺麗ですね」
二葉亭四迷は「わたし死んでもいいわ」
と表現した。
今日の授業で中2生だとどんな風に言うのかなって聞いてみた。
「君が星のように輝いて見えるよ」
「ボクはキミしか見えない」
「オムライス大好き。でもキミの方がもっと好き」などなど
なかなか笑えるものばかり。
まだ中2なんだからそんな機会がないから仕方ないと思うかもしれないけど、I love you は恋人だけに使うものじゃない。
両親や兄弟、友達にだって使ったっていい。
いろんな角度からそれに合ったシチュエーションを自分が具体的にイメージできるか・・・
そして相手に自分の強い愛を伝える。
その時出てくる言葉は「I love you」なんて簡単な言葉じゃないはずなんだけどな。
いつか生徒たちが大きくなったとき、そんなタイミングでどうだったか聞いてみたいもんだ(笑)
言葉は世界を変えることができるほど絶大な力を持っている。
言葉を使うことはとても簡単で、考えなければ考えないほど簡単に使ってしまう。
でも言葉の力の威力の絶大さを知った時、本当に言葉一つ一つに対して丁寧に、そしてきちんと厳選して使うようになってくる。
言葉をコントロールする力を育てる。
国語ってそんな教科。
ぽちぽち
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